眠る虫 京都上映!

金子は東京で生まれ育ちました。

高校の修学旅行で人生ではじめて京都に行き、6人班の自由行動で吉田寮に行きました。学生運動の残り香に胸を打たれ、京都で学生時代を過ごしたい!ってなって、京大は無理だから私大を受け受かり上洛しました。

ふらふらしていた二年の休学期間がありましたが、なんだかんだ京都在住6年目になりました。大好きな街。京都に来てなかったら映画を撮ってなかったと思います。東京の大学に進学したパラレルの私はとても楽しそうな毎日を過ごしているけど、でも、京都で過ごしてよかった。マジでよかった。

 

京都の魅力、それは、鴨川。そうです。鴨川です。

京都の時間の下層部に大河のように流れる鴨川の時間。その上を喫茶憩や村屋や上海バンドやファミリーマート立命館大学やゆすらごやネガポジや今は亡き桜湯・・・の時間が流れている感じがあります。例えば部屋で何かにキレてる時も「チャリ20分漕げば鴨川に会える」と思うと、なんだか伸び伸びキレることができる。
鴨川では人間と動物の境があんまりありません。鴨が「コンビニ行くけどなんかいるもんある?」と陸のほうにのそのそ歩いてきたり、人間が思考を天日干ししていたり、特等席の岩に佇み遠くを馳せるいつものアオサギがいたりします。

鴨川はとにかくヤバイです。

そんなヤバイ川から少し歩けば出町座という映画館があります。

 

出町座。大好きな場所。

出町座でたくさんの映画と出会いましたが、中でもアリーチェ・ロルヴァケル監督作『幸福なラザロ』を観た体験は私の心にずっと住んでます。

映画も素晴らしかったし、映画館を出た後放心状態で鴨川に行って、長いこと川を見ていました。純粋な善の居場所がこの社会にはない。そんな監督の諦念とそれを振り払おうとする腕力。映画の時間が鴨川と混ざり合って膨らんでいく。

 

『眠る虫』は鴨川のような映画にしたかったのかも。って今思いました。

眠る虫を観た後に鴨川に行くのが楽しみ。鴨川と眠る虫の併映。どんな呼応があるんだろうか。

 

10月9日から京都出町座で公開です!

10月9日(金)19:45回、金子由里奈の舞台挨拶があります。

16日(金)19:10回では大好きな小説家、いしいしんじさんと金子由里奈のアフタートークがあります。楽しみです。

いしいさんは、眠る虫に素敵なコメントを寄せてくださっています。

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大好きな京都の街に住む皆様、鴨川の時間の上に暮らす皆様と共有したい時間があります。

『眠る虫』、どうか観に来てください。

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